君の名は。が大ヒットしたことによって、新海誠監督の作品に興味が出てきました。
先日はdTVで「言の葉の庭」を観たのですが、今回は秒速5センチメートルを観てみました。
ストーリー
小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。二人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけが過ぎていった。
そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行く……。
貴樹と明里の再会の日を描いた「桜花抄」、その後の貴樹を別の人物の視点から描いた「コスモナウト」、そして彼らの魂の彷徨(ほうこう)を切り取った表題作「秒速5センチメートル」。3本の連作アニメーション作品。
(出典:公式サイト)
初恋の美しさと時の流れの残酷さを描いてる
あああ、こんなにピュアな恋愛とかねーよ!ねーよ!こんな子どもいないよ!
と思いつつ、その純粋な気持ちが心地よかったりするのですよねぇ、だから映画って好き。
「桜花抄」がともかく柔らかい話でくて、大切なものを木綿のハンカチでずっと包み込んでいるような、ただただ純粋な二つの想いだけがそこにありました。
でも転勤でさらに会えないところへ行ってしまう貴樹。
新しい環境でも、決してその気持ちが変わることはありませんでした。
出す宛てのないメールを何度も打つ。そんな日々。
こじらせ男子ってきっとこういうことを指すのだと思う
「秒速5センチメートル」で、貴樹は付き合っていた彼女に
「1,000回にわたるメールのやり取りをしたとしても、心は1センチほどしか近づけなかった」
という強烈な最期のメールをもらって破局します。
大雪の降る中でもめげずに会いに行ったくらい好きだった明里。
ずっと忘れられないのは、貴樹の時は動いているようでずっと止まっているからなのでしょうか?
でも、明里の時はどんどん動いていて、彼女は大きな幸せを目の前にしている。
思い出があまりにきれいだと、人は人生のアップロードをしにくくなるのかもしれないなぁ…。
でもそれだけ純粋に想われるのは、幸せかもね。
多分女子には理解しにくいけど、こういう男子は割と多い気がする
恋愛の記憶について、女は「上書き保存」、男は「フェイル名を付けて保存」と例えられることがありますが、これってまさにこの話のいい例えなのではないかしら。
そして、男子も女子も生きているうちのどこかでこじらせた経験のある人はきっと良くわかる話。
秒速5センチメートルで流れた、山崎まさよしのone more time one more chanceがぴったりでした。
時間の流れは時に残酷。
その中で動く時間と動かない時間。
きっとすれ違っているのに、存在を感じているのに、振り返るといないところが切ない。
貴樹はまた新しく人生を始められるといいなと思いながら映画を観終えるのでした。
好きな人はすごく好きだと思われる新海作品
2作見て、きっと新海作品は「キモい!」と思う人と「ああわかる、好き好き!」っていう人の二極化なのだろうなと思いました。(まぁなんでもそうだと思うのだけど)
こういうタイプの青春系の話はさ、多分爽やか&スムーズに青春時代を過ごした人にはわからない。
こじれ具合によって理解と共感度が増すのではないでしょうか。
そして、一度観ただけじゃなかなかすべてを理解するのは難しいので、何度か観ることで作品の理解を深めるタイプの作品かなと思います。(言の葉の庭も秒速もdTVで2回観ました)